SDGs GREEN

⭐︎GREEN Hongo「持続的な地域の創造」

先週、栃木県矢板市のトーセンという企業の取組を見学してきました。地域の森林から産出される丸太をフィンガージョイント加工などによりできる限り製材品に、製材に適しないものは木質バイオマスエネルギー燃料として木材チップや薪に製品化して利用・販売している会社です。森林資源は持続可能な地域資源として利用することによりお金が回り地域の活性化に寄与するものです。従来は製材品にならないものは製紙用の木材チップとして低い価値しか認められていませんでした。この会社はFIT制度が始まる前からいち早く地域でエネルギー源として使うことにより、地域の活性化に取り組んできた会社です。発電する電気を売るだけでなく熱利用を進め、近隣の会社に蒸気を売る、ウナギの養殖施設に熱を供給する、マンゴーを温室栽培するなどの取組を行ってきました。写真は今、試験中のコーヒーの栽培です。温室の中でコーヒーの木が実をつけていました。一本の苗木から拡大した取組ですが、もちろんまだ事業化できる規模ではありませんし、事業化にはまだまだハードルが高いものです。一見、荒唐無稽な取組に見えますが、ウナギは成功していますしマンゴーは発展途上。それを導いてきた社長のチャレンジ精神を見ました。それ以外にも伐採跡地の植栽など林業に参加しようとする人達の宿泊所の整備とか、集いのカフェの整備などにも取り組まれておりました。このようなチャレンジ精神が地域活性化のタネとなっていくのです。さらに発展していくことを期待しております。社長ともお話させていただきましたが、会社内でも従業員はこのチャレンジに反対されるのだそうです。もとよりチャレンジのリスクを慮ってのことですが、オーナー社長は従業員の反対に負けずに実行してきたとのことです。ちょっとありがちなスローガンですが「日本一の社員」と掲示してありました。しかしこれは職員を激励し褒める目標ではなく、社長は日本一だが社員はまだまだ日本一になっていないぞ、という厳しく指導する意味だそうです。この会社のような地域活性化の事業は全国でも取り組めることですが、実行に移されるためには結局、社長のようなチャレンジャーがそれぞれの地域地域で生まれるような人材育成が最も重要な課題になるのだと感じました。